第10回|話を深める② 質問力UP|1on1で「こんな場面ではこの質問!」を使い分ける
- MIDORI HARA

- 5 日前
- 読了時間: 5分
今回のゴール
1on1ミーティングで、
状況に応じて質問を使い分け、相手の思考と気づきを引き出す力 を身につける。
前回までの流れ
• 第8回:観察(非言語の変化を読み取る)
• 第9回:質問の基本(クローズド/オープン)
• 第10回:その応用として 質問力UP(実践編)
質問は “思考を広げる道具”
「訊く」「聴く」は、1on1でも日常でも欠かせないコミュニケーションスキル。
今回は、実際の場面でどう質問を使い分けるか を、例と注意点を交えてご紹介します。
第10回と第10.5回の2本立てで、質問スキルを深めていきます。
相手に質問するとき、あなたにはどんな “クセ” がありますか。
質問は、相手の思考を深める道具であると同時に、
私たち自身の習慣や無意識のパターンが表れやすい行為でもあります。
この回では、
「こんな場面ではこの質問!」と使い分けられるようになるための
実践的なヒントをご紹介します。
読み進めながら、
「自分はどんな質問をしがちだろう」
という視点をそっと持ってみてください。
それだけで、理解の深さが大きく変わります。
現在地(シリーズ全体の流れ)

はじめに|習慣は自然に元へ戻るもの
私たちは人生経験の中で身についた習慣に戻りがちです。
それは自然なことであり、私自身も例外ではありません。
このシリーズで大切にしているのは次の3つです。
• 失敗してもまた挑戦する
• 自分のペースで継続する
• 小さな進歩を楽しむ
第2章|ラポールを形成する
傾聴の3つの態度/姿勢(復習)
1. 自分らしく落ち着きと余裕を持つ
2. 相手を否定せず、すぐにアドバイスしない
3. 相手の捉え方・考え方・感じ方に沿って理解しようとする
質問は、この3つの態度を “形にする” 行為です。
1on1で話を深める質問力UP

図の通り、
適度に質問を交えることで、思考が広がり、深まり、気づき(=成果物)につながる。
質問は、
1on1における「傾聴の3つの態度」を体現する重要なスキルです。
質問の目的
• 情報収集
• 確認
• 関心(傾聴の姿勢)の伝達
• 会話の促進
• 発問(思考や気づきを促す)
• 感情の表現を促す
質問の種類(実践編)
おすすめ度:★★★★★(実践で効果実証済み)
♦ スケーリング・クエスチョン

程度を把握したいとき
スケール(目盛・尺度)を使い、状態を数値化して共有する質問。
例 A
「こうあってほしい状態を10、最悪を0としたら、今はいくつですか?」
📌ポイント
オープン質問で「どのくらい?」と訊くと、
「まぁまぁ」「そこそこ」など曖昧になりがち。
スケール化すると、認識が共有しやすい。
♦ 肯定質問
前向きな思考を促したいとき
否定質問の例(NG)
例 B
あなた「何がわからないのですか?」
相手「すみません…自分でもよくわかりません」
→ 否定形が入ると、相手は答えにくく、防衛的になりやすい。
肯定質問の例(OK)
例 C
あなた「わかっていることは何ですか?」
相手「○○については担当していたのでよくわかっています」
→ 肯定的な側面に意識が向き、話が前に進む。
「どうして」より「どうしたら」
例 D(否定質問)
「どうしてうまくいかないのですか?」
→ 追及されているように感じ、防衛的に。
例 E(肯定質問)
「どうしたら、うまくいくと思いますか?」
→ 可能性に意識が向き、思考が広がる。
♦ 未来質問
未来志向で考えることを促したいとき
過去質問(意識が後ろ向きになりやすい)
例 F
「これまでで自分で頑張ったことは何ですか?」
→ 努力を認める効果はあるが、原因究明に偏ると後ろ向きに。
例 G(NG)
「なぜ今までそうしなかったのですか?」
→ 詰問のように聞こえ、防衛的になりやすい。
未来質問(意識を “これから” に向ける)
例 H
あなた「今まではそうしなかったのですね。
では、これからはどのようにしたいですか?」
相手「誰かと分担できたら間に合うかと…」
あなた「分担すればできそうなのですね。
誰かあてはありますか?」
📌ポイント
未来に焦点を当てると、前向きな行動意欲が引き出される。
次回扱う質問(予告)
※ 第10.5回で詳しく紹介します。
• 思い込み解消の質問(第4・5回参照)
• コーピング・クエスチョン(努力の承認)
• リフレーミング(見方を変える)
まとめ
「訊く」「聴く」は、1on1でも日常でも不可欠なスキル。
質問したら、相手の反応(非言語)を観察することも忘れずに。
状況に応じて質問を使い分けることで、
相手の思考が深まり、気づきが生まれます。
次回予告|質問力UP【続】
より高度な質問の使い方を紹介します。
📌ポイント
質問は諸刃の剣。
「こんな場面ではこの質問!」 と使い分けられるように練習していきましょう。
自分への問い|質問のクセを見つめる
あなたは質問をするとき、どんなクセがありますか?
質問のクセ(例)
• 「なぜ?」「どうして?」と訊きがち
• 説明の後に「わかりましたか?」と確認してしまう
• 1つの質問に2つ以上の内容を入れてしまう
• 自分の考えを先に伝えてしまう
• 「最近どう?」で終わってしまう
• 予測を確かめたくて誘導的に訊いてしまう
• 矢継ぎ早に質問してしまう
いくつ思い当たりますか。
参照記事
• 第4回:「自分の考え方のクセを知る」前編(思い込みの解消①)
• 第5回:「自分の考え方のクセを知る」後編(思い込みの解消②)
• 第7回:傾聴の姿勢(非言語)
• 第8回:観察(言葉にならないメッセージを受け取る)
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