第3回|自分の思考とコミュニケーションのクセを理解する― 1on1ミーティングの道具箱・基礎編
- MIDORI HARA

- 10 時間前
- 読了時間: 6分
更新日:2 時間前
この回のゴール
自分の思考やコミュニケーションのクセを理解し、
1on1で良い関係を築くための“土台”を整えること。
シリーズ総合ガイド 📒
前回はこちら▼ 第2回|自分の職場での日常を知る

このシリーズでは、1on1を支える複数の柱を、時間軸とともに整理しています。
今の自分は、どこを強みとして使っているのか。どこは、これから育てていく余地があるのか。図を眺めながら、そんな視点で確認してみてください。
第1章 自分の思考やコミュニケーションのクセを理解する
1on1ミーティングの成功に不可欠な
・ラポール形成(信頼関係)
・心理的安全性
その基礎、土台をつくるために
自分のコミュニケーションの傾向/クセを知る。
4つのコミュニケーション(会話/対話)の傾向

・縦軸の線は「力」 支配 ⇔ 従順 お互いに求め合う
・横軸の線は「感情・気持ち・意」 攻撃 ⇔ 協力 お互いに反発し合う
・どの傾向にもそれぞれの良い面と悪い面があります。
・人は4つの基本的な傾向を生まれつきもっています。
・適切なタイミングに、適切な傾向を使い分けることを知っていること。
4つのコミュニケーションの傾向に対応する「ヒントとコツ」
ここからは、
4つのコミュニケーションの傾向それぞれについて、
1on1の場で「どう振る舞うか」「何をやめ、何を選ぶか」を、
具体的に見ていきます。

1on1ミーティングの目標は、
部下が「やらされる」のではなく、
自分でやる気を出し、自分で決めていける状態になること。
そのためには、
コミュニケーションの “良い面” を伸ばす前に、
今の自分に出やすい “よくない面” を、まず整えていく必要があります。
思い当たる面は、どれでしょうか。
コンフリクト 🐺
・良い面
率直で、素直。
批判的でありながらも建設的で、
感情に流されず、確信をもって伝えることができる。
穏やかな自己主張としてのコンフリクトを身につけると、
自分自身を強化することができます。
明確な代替案や新しい考えを示すことで、
相手や周囲がより深く考え、
思いもつかなかった解決策が生まれることもあります。
・悪い面
相手に恐怖や屈辱を与え、攻撃的になりやすい。
・悪い面に対する予防策/対応策
1.
自分の中に、少しでもよくない反応が出てきたと感じたら、
その場でいったん止めます。
相手から見えないところ(テーブルの下など)で、
人差し指と親指の先を合わせ、ギューッと力を入れて意識をそらします。
2.
ラポールを形成するためにも、
可能な限り、攻撃的な対立は避けます。
3.
「本当に、これは問題なのか?」と自分に問い、
今、対立する価値があるのかを見極めます。
4.
相手の立場に立って考え、感情を否定しません。
もし相手が攻撃的になっても、すぐに応戦せず、
話に耳を傾けながら「何が本当の問題か」を考えます。
アンガーマネジメントの「6秒ルール」や、深呼吸を3回するのも有効です。
サポート 🐵
・良い面
チームワーク、協調、親切。
チームを導く場面で、サポート型の上司は、
メンバーから高い献身や忠誠心を引き出しやすくなります。
その結果、平均して、
より健康的で、活動的、成功しやすく、
生産的で、お互いに助け合えるチームになりやすい。
・温かく社交的なサポートの良い面を倣うには
1. 聴く
会話の大部分を、相手の話を聴くことにあてます。
相手が話し始めるまで、少なくとも7秒は待ちます。
2. 共有する
結びつきを強めるために、
相手と共通する経験や感覚を探します。
3. やり取りする(interactive)
会話のボールを自分で持ち続けず、
少なくとも2回は、相手に投げ返します。
・悪い面
過度に馴れ馴れしくなる。
境界線を損なう。
過干渉になる。
卑屈になりすぎる。
・悪い面に対する予防策/対応策
相手を、独立した一人の個人として認めます。
そのうえで、境界線を損なわないために、
必要に応じて、
コントロールやコンフリクトの立場を取ることを、
あらかじめ相手に伝えます。
コントロール 🦁
・良い面
決定力、責任感、主張的であること、指導力。
人を導くが、対立を求めているわけではありません。
自分の目標だけでなく、
チーム(他者)の目標も、明確に設定します。
・悪い面
要求が強くなりすぎる。
独善的になる。
頑固になる。
細かく管理・監督しすぎる。
・悪い面に対する予防策/対応策
1.
恐怖によって人を導こうとするエゴを、持たないようにします。
恐怖が有効なのは、あくまで短期間です。
長期的には、部下の反発や裏切りを招き、
結果的に自滅につながります。
2.
いつでも命令に従うことを期待しません。
引くときは引き、
ときには「勝ち」を譲る謙虚さを持ちます。
3.
相手に、「従うかどうか」を決める選択肢を渡します。
4.
チームのメンバーたちの行動に、責任者として向き合います。
フォロー 🐭
・良い面
謙虚、忍耐強さ、慎重さ。
謙虚さは、ラポール形成において、
もっとも強力で、重要な価値です。
謙虚であることは、
弱さや屈服、軟弱さを意味するものではありません。
ラポール形成にもっとも肯定的な影響を与えた行動は、良いフォローの行動である
相手を肯定し、敬意を払い、
謙虚な姿勢で関わることです。
・信頼と配慮を生むフォローの良い面を倣うには
1.
小さなことにも目を向け、感謝します。
自分にとっては当たり前に感じていることでも、
「ありがとう」のひと言を添えます。
2.
相手の話に、きちんと耳を傾けます。
3.
謝罪します。
自分が迷惑をかけたと感じたときは、
相手が部下であっても、苦手な相手であっても、謝罪します。
自分の間違いを認めないほうが、
むしろ「チキン(小心者)」です。
・悪い面
回避的になる。
ためらいがちになる。
弱々しく見える。
型どおりの対応になる。
・悪い面に対する予防策/対応策
1.
状況に応じて、
フォローの良い面に置き換えて使います。
2.
リーダーシップや自己主張、自信を示すことが求められる場面では、
フォローの「悪い使い方」は不適切だと認識します。
次回予告
次回は第1章「自分の思考やコミュニケーションのクセを理解する」
「自分の考え方のクセを知る」
ラポール形成と心理的安全性の土台づくりに必要なもう1つの
合理的で実践的なモデルと方法をご紹介します。
次回はこちら 第4回|自分の考え方のクセを知る(前編)
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