第15回|承認・勇気づけ一人ひとりの成長と自律を支える“マネジャーの最強ツール”
- MIDORI HARA

- 12 時間前
- 読了時間: 5分
今回のゴール
1on1ミーティングで
部下の成長・自律・心理的安全性を支える「承認」と「勇気づけ」 を使いこなせるようになる。
さらに、読者から質問の多い
「マネジャーとリーダーの違い」 を明確に理解し、
自分の役割を整理できるようになる。
前回までの流れ
• 第13回:マネジャーの基本・メンター/コーチへの転換
• 第14回:一人ひとりを見る・知る・合わせる(SL理論 × 観察)
• 第15回:承認・勇気づけ(後半の“心のエネルギー”)
承認と勇気づけは、1on1の“生命線”
1on1ミーティングは、
「話す場」でも「評価する場」でもなく、
相手の成長と自律を支える場 です。
そのために欠かせないのが、
• 承認(acknowledgement)
• 勇気づけ(encouragement)
という2つの“心のエネルギー”。
今回は、
• 承認とは何か
• 勇気づけとは何か
• どんな関わり方が成長を促すのか
• マネジャーとリーダーの違い
• 承認をゆがめる “価値観のフィルター” とは?
を、初心者にもわかりやすく整理して紹介します。
現在地

はじめに|習慣は自然に元へ戻るもの
私たちは人生経験の中で身についた習慣に戻りがちです。
それは自然なことであり、私自身も例外ではありません。
このシリーズで大切にしているのは次の3つです。
• 失敗してもまた挑戦する
• 自分のペースで継続する
• 小さな進歩を楽しむ
ラポール・心理的安全性を形成する
傾聴の3つの態度/姿勢
1. 落ち着きと余裕
2. 否定せず受け止める
3. 相手の捉え方に沿って理解する
→ 承認・勇気づけの“前提条件”。
マネジャーとリーダーの違い
企業では、
リーダーとマネジャーの2つの役割を同時に求められる ことが多い。
ここでは、読者が最も理解しやすい形で整理します。
♦ リーダーが考えるべきたった1つのこと
「よりよい未来に向けて人々を一致団結させる」
• 未来を描く
• 未来を語る
• 未来に人を巻き込む
情熱的である必要はない。
明確であれば十分。
♦ マネジャーが考えるべきたった1つのこと
「部下一人ひとりの特色を発見し、それを有効に活用する」
• 才能
• スキル
• 経験
• 価値観
• 目標
これらを観察し、
その人が成功できる将来計画を立てる。
出典:📘 マーカス・バッキンガム著
『最高のリーダー、マネジャーがいつも考えているたったひとつのこと』
♦ まとめ
• リーダー:未来に人を導く
• マネジャー:一人ひとりを成功に導く
どちらも必要。
場面に応じて切り替えればよい。
📌「〜であるべき」は行き詰まりの原因。
柔軟に、状況に合わせて。
承認をゆがめる価値観フィルター
「一人ひとりを見る・知る・合わせる」をゆがめるもの
承認や勇気づけがうまくいかない背景には、
“自分の価値観フィルター” が影響していることが多い。
♦ 自分の価値観が強すぎると…

• 自分が大切にしている基準で相手を見てしまう
• 基準に合わないと、相手の強みを見落とす
• 結果として、承認が難しくなる
♦ フィルターを外すと…

• 相手の “その人らしさ” に目が向く
• 強みが見えやすくなる
• 承認が自然にできるようになる
※ 第4・5回「思い込みの解消」も参照。
第3章|承認・勇気づけ
遂行意欲が低い部下にどう関わっていますか?
この問いを持ちながら読み進めてください。
承認(acknowledgement)
承認とは、
相手の存在・行為・強み・変化に“気づき”、それを伝えること。
判断でも、許可でもない。

承認がもたらす2つの効果
① 部下の自己信頼を高める
• 困難に立ち向かう基盤
• 自己肯定感の向上
② あなたへの信頼が深まる
• ラポール形成
• 心理的安全性の向上
承認の種類
♦ 存在承認
特別な成果がなくても、
「あなたを見ています」 と伝えること。
→ 傾聴そのものが存在承認。
♦ 結果承認
成果を評価せず、
事実として共有する承認。
例:
「ここまで80%達成できていますね」
→ All or Nothing 思考の人に特に有効。
シェーピング法(強化法)

• 小さな達成を積み重ねる
• その都度承認する
• 最終目標に近づける
→ 燃え尽き防止 × 自己肯定感UP
勇気づけ(encouragement)
アドラー心理学の概念。
困難に直面したとき、本来の強みを発揮できるよう支援すること。
褒めるとの違い

• 褒める:評価が前提(上から目線になりやすい)
• 勇気づけ:対等な関係(横から目線)
勇気づけのポイント
• 相手を尊重する
• 感謝や気持ちを伝える
• 一緒に喜びを分かち合う
• 条件は不要
• 内発的動機づけを高める
→ 「自分がやりたいからやる」
→ 成長と自律につながる
まとめ
承認と勇気づけは、
1on1ミーティングの“心のエネルギー源”。
• 存在承認
• 結果承認
• シェーピング法
• 勇気づけ
これらを使いこなすことで、
部下は自分の力で成長し、自律へ向かいます。
次回予告(第16回)
第4章「一人ひとりに合わせる」へ。
実践的な考え方・方法・スキルをご紹介します。
参照記事
• 第4回:「自分の考え方のクセを知る」前編(思い込みの解消①)
• 第5回:「自分の考え方のクセを知る」後編(思い込みの解消②)
• 第7回:傾聴の姿勢(非言語)
• 第8回:観察(言葉にならないメッセージを受け取る)
シリーズ総合ガイドへ戻る
関連ページ
『信頼と成長を叶える:1on1ミーティング成功の秘訣』シリーズ ▼
関連記事
『1on1ミーティングの道具箱』と『信頼と成長を叶える:1on1ミーティング成功の秘訣』― 二つの学びで「信頼」と「成長」をつなぐ ―
📌対話の基礎、特に傾聴に触れたい方は「傾聴:思いやりをもって聴く力」ページもあります
著者プロフィール ▼


コメント