第19回|道具:フィードバック「適切な方法 × タイミング × 気配り」で成長を支援する
- MIDORI HARA

- 3 日前
- 読了時間: 6分
今回のゴール
評価ではなく “気づきの鏡” としてのフィードバックの本質を理解し、
適切な方法・タイミング・伝え方を身につけて
部下の成長とパフォーマンス向上につなげる。
前回までの流れ
第14回:一人ひとりを見る・知る・合わせる(SL理論 × 観察)
第15回:承認・勇気づけ(後半の “心のエネルギー”)
第16回:ビジョンの力(ミッションステートメントのつくり方)
第17回:アイスブレイク(安心の場をつくる技法)
第18回:目標設定・GROWモデル
有効なフィードバックを与えることは簡単ではありません。
内容がポジティブであれネガティブであれ、言いかたやタイミング次第で反発を招いたり逆効果になったり、目標達成につながらなかったり。
1on1ミーティングにおいて部下の成長を促し、パフォーマンス向上を支援するフィードバックのヒントとコツをご紹介します。
現在地

はじめに|習慣は自然に元へ戻るもの
私たちは人生経験の中で身についた習慣に戻りがちです。
それは自然なことであり、私自身も例外ではありません。
このシリーズで大切にしているのは次の3つです。
• 失敗してもまた挑戦する
• 自分のペースで継続する
• 小さな進歩を楽しむ
ラポール・心理的安全性を形成する
傾聴の3つの態度/姿勢
1. 落ち着きと余裕
2. 否定せず受け止める
3. 相手の捉え方に沿って理解する
→ 承認・勇気づけの “前提条件”
第4章|一人ひとりに合わせる
道具:フィードバック
「適切な方法 × タイミング × 気配り」で成長を支援する
フィードバックとは何か

フィードバックは、部下の成長と自律のために
“気づきを促す” ための重要な道具です。
しかし現場では、
「評価」=「フィードバック」 と誤解されがち。
まずは、この違いをクリアにしておきましょう。
フィードバックの本来の意味

フィードバックの語源は軍事用語。
大砲を撃ち、的のそばにいるフィードバッカーが
「10メートルオーバーです」「7メートルショートです」
と “事実だけ” を返す。
ここには ジャッジ(評価)や批判は一切ない。
1on1ミーティングにおけるフィードバックも同じです。
審判的・診断的な評価を入れない
上からではなく「横から」伝える
「こう見えます」「こう聞こえます」と事実+感覚を共有する
鏡に映った自分を見るように、
相手は自分の状態に気づくことができます。
※第12回「反射」参照
フィードバックの種類

どのフィードバックにも共通するのは
相手への敬意と思いやり。
その中でも特に重要なのが「感謝のフィードバック」
感謝のフィードバックの力
「えっ?」と思われる方も多いかもしれません。
しかしポジティブ心理学では、
感謝には次の効果があるとされています。
相手のモチベーションを高める
良好な対人関係を促進
自制心を高める
支えられている実感を高める
さらに、感謝を伝える側にも効果があります。
ウェルビーイングの向上
ストレス低減
レジリエンス向上
忍耐力の向上
「ありがとう」はコストゼロの “プライスレス”。
マネジャーがロールモデルとして実践しましょう。
ポジティブ/ネガティブフィードバックの違い

ネガティブフィードバックを避けるのではなく、
どう与えるか を考えることが重要。
研究によれば:
初心者はポジティブが有効
熟練者はネガティブを求める傾向
ネガティブフィードバックは、
適切な方法とタイミングで行えば
モチベーションを大きく高める ことができます。
フィードバックの構成要素

フィードバックは次の順番で構成すると効果的。
時間と場所(いつ・どこで)
見聞きした事実(具体的に)
自分の感じ方・影響(Iメッセージ)
相手の考えを確認する
必要に応じてヒントを提供する
📌 Iメッセージが重要
「あなたは〜」ではなく
「わたしには〜見える/聞こえる」。
決めつけにならず、相手の意見も挟めます。
フィードバックのタイミング
良いタイミング
成功・成果が出たとき
スキル向上が見込めるとき
相手がフィードバックを予期しているとき
行動がチームに悪影響を及ぼしているとき
悪いタイミング
情報が揃っていない
相手が感情的・傷つきやすい状態
あなたに余裕がない
あなたの好みで言おうとしている
解決策がまだ練れていない
結果につなげるために
フィードバックは「任せる=放任」ではありません。
部下の意見を訊く
プロセスを明確化する
要所で進捗を確認する
※ 第18回「GROWモデル」参照
部下の成長には時間がかかります。
辛抱強く「待つ」こともマネジャーの勘どころ。
結果承認 × シェーピング法

最終目標に到達するまでの
“小さな達成” を承認し続けることで、
自己肯定感が高まり、次の行動への意欲が生まれます。
※ 第15回「承認・勇気づけ」参照
まとめ
フィードバックは評価ではなく“気づきの鏡”
ポジティブ/ネガティブのバランスが重要
Iメッセージで伝える
タイミングを見極める
結果承認で成長を後押しする
FAQセクション
Q1. フィードバックと評価は何が違うのですか?
A. 評価は「良い/悪い」をジャッジする行為ですが、1on1におけるフィードバックは、審判的な解釈を入れずに「こう見えます/こう聞こえます」と事実と感覚を伝え、本人の気づきと成長を促すためのコミュニケーションです。
Q2. ネガティブフィードバックは避けたほうがよいのでしょうか?
A. 避けるのではなく、相手の習熟度とタイミングを見極めて行うことが大切です。適切な方法とタイミングであれば、ネガティブフィードバックはむしろ成長の大きなきっかけになります。
Q3. 1on1でフィードバックがうまくいかないとき、何から見直せばいいですか?
A. まずは「信頼関係」と「フィードバックの目的」を見直します。承認や感謝のフィードバックが足りているか、ジャッジではなく「わたしにはこう見える」というIメッセージで伝えられているかを振り返ると、改善の糸口が見つかりやすくなります。
次回予告(第20回)
第20回から最終章
第5章:スキルを日々実践する「リフレクション/内省」 に入ります。
ポイント
フィードバックは
適切な方法 × タイミング × 気配り/傾聴
+習熟度に合わせる
+ポジティブ/ネガティブのバランスをとる
参照記事 ▼
第12回「反射」
第15回「承認・勇気づけ」
第18回「GROWモデル」
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