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第19回|道具:フィードバック「適切な方法 × タイミング × 気配り」で成長を支援する

今回のゴール


評価ではなく “気づきの鏡” としてのフィードバックの本質を理解し、

適切な方法・タイミング・伝え方を身につけて

部下の成長とパフォーマンス向上につなげる。


前回までの流れ


第14回:一人ひとりを見る・知る・合わせる(SL理論 × 観察)

第15回:承認・勇気づけ(後半の “心のエネルギー”)

第16回:ビジョンの力(ミッションステートメントのつくり方)

第17回:アイスブレイク(安心の場をつくる技法)

第18回:目標設定・GROWモデル




有効なフィードバックを与えることは簡単ではありません。

内容がポジティブであれネガティブであれ、言いかたやタイミング次第で反発を招いたり逆効果になったり、目標達成につながらなかったり。


1on1ミーティングにおいて部下の成長を促し、パフォーマンス向上を支援するフィードバックのヒントとコツをご紹介します。





現在地


1on1ミーティングの全体構造を示す5本の柱とタイムラインの図解
見方のヒント:自分が「今」どの位置に立っているかを探してみて下さい。




はじめに|習慣は自然に元へ戻るもの


私たちは人生経験の中で身についた習慣に戻りがちです。

それは自然なことであり、私自身も例外ではありません。


このシリーズで大切にしているのは次の3つです。


• 失敗してもまた挑戦する

• 自分のペースで継続する

• 小さな進歩を楽しむ




ラポール・心理的安全性を形成する


傾聴の3つの態度/姿勢


1. 落ち着きと余裕

2. 否定せず受け止める

3. 相手の捉え方に沿って理解する

→ 承認・勇気づけの “前提条件”





第4章|一人ひとりに合わせる


道具:フィードバック

「適切な方法 × タイミング × 気配り」で成長を支援する




フィードバックとは何か




1on1ミーティングのタイムライン図(成長と自律のプロセス)
1on1ミーテイングのタイムライン図



フィードバックは、部下の成長と自律のために

“気づきを促す” ための重要な道具です。


しかし現場では、

「評価」=「フィードバック」 と誤解されがち。

まずは、この違いをクリアにしておきましょう。





フィードバックの本来の意味



フィードバックの語源を示す大砲
フィードバックの語源を示す大砲



フィードバックの語源は軍事用語。


大砲を撃ち、的のそばにいるフィードバッカーが

「10メートルオーバーです」「7メートルショートです」

と “事実だけ” を返す。


ここには ジャッジ(評価)や批判は一切ない


1on1ミーティングにおけるフィードバックも同じです。

  • 審判的・診断的な評価を入れない

  • 上からではなく「横から」伝える

  • 「こう見えます」「こう聞こえます」と事実+感覚を共有する


鏡に映った自分を見るように、

相手は自分の状態に気づくことができます。


第12回「反射」参照





フィードバックの種類




フィードバックの種類と定義の一覧表
フィードバックの種類と定義の一覧表



どのフィードバックにも共通するのは

相手への敬意と思いやり

その中でも特に重要なのが「感謝のフィードバック」





感謝のフィードバックの力




「えっ?」と思われる方も多いかもしれません。

しかしポジティブ心理学では、

感謝には次の効果があるとされています。


  • 相手のモチベーションを高める

  • 良好な対人関係を促進

  • 自制心を高める

  • 支えられている実感を高める



さらに、感謝を伝える側にも効果があります。

  • ウェルビーイングの向上

  • ストレス低減

  • レジリエンス向上

  • 忍耐力の向上



ありがとう」はコストゼロの “プライスレス”。

マネジャーがロールモデルとして実践しましょう。





ポジティブ/ネガティブフィードバックの違い




ポジティブとネガティブフィードバックのメリット・デメリット比較図
ポジティブとネガティブフィードバックのメリット・デメリット比較図



ネガティブフィードバックを避けるのではなく、

どう与えるか を考えることが重要。



研究によれば:

  • 初心者はポジティブが有効

  • 熟練者はネガティブを求める傾向



ネガティブフィードバックは、

適切な方法とタイミングで行えば

モチベーションを大きく高める ことができます。





フィードバックの構成要素




フィードバックの構成要素(Iメッセージ・事実・影響)
フィードバックの構成要素(Iメッセージ・事実・影響)



フィードバックは次の順番で構成すると効果的。


  1. 時間と場所(いつ・どこで)

  2. 見聞きした事実(具体的に)

  3. 自分の感じ方・影響(Iメッセージ)

  4. 相手の考えを確認する

  5. 必要に応じてヒントを提供する



📌 Iメッセージが重要



「あなたは〜」ではなく

「わたしには〜見える/聞こえる」。

決めつけにならず、相手の意見も挟めます。





フィードバックのタイミング




良いタイミング


  • 成功・成果が出たとき

  • スキル向上が見込めるとき

  • 相手がフィードバックを予期しているとき

  • 行動がチームに悪影響を及ぼしているとき



悪いタイミング


  • 情報が揃っていない

  • 相手が感情的・傷つきやすい状態

  • あなたに余裕がない

  • あなたの好みで言おうとしている

  • 解決策がまだ練れていない





結果につなげるために




フィードバックは「任せる=放任」ではありません。


  • 部下の意見を訊く

  • プロセスを明確化する

  • 要所で進捗を確認する


※ 第18回「GROWモデル」参照



部下の成長には時間がかかります。

辛抱強く「待つ」こともマネジャーの勘どころ。





結果承認 × シェーピング法




シェーピング法の図(小さな達成を積み重ねる方法)
シェーピング法の図(小さな達成を積み重ねる方法)



最終目標に到達するまでの

小さな達成” を承認し続けることで、

自己肯定感が高まり、次の行動への意欲が生まれます。



第15回「承認・勇気づけ」参照





まとめ


  • フィードバックは評価ではなく“気づきの鏡”

  • ポジティブ/ネガティブのバランスが重要

  • Iメッセージで伝える

  • タイミングを見極める

  • 結果承認で成長を後押しする





FAQセクション



Q1. フィードバックと評価は何が違うのですか?  


A. 評価は「良い/悪い」をジャッジする行為ですが、1on1におけるフィードバックは、審判的な解釈を入れずに「こう見えます/こう聞こえます」と事実と感覚を伝え、本人の気づきと成長を促すためのコミュニケーションです。



Q2. ネガティブフィードバックは避けたほうがよいのでしょうか?  


A. 避けるのではなく、相手の習熟度とタイミングを見極めて行うことが大切です。適切な方法とタイミングであれば、ネガティブフィードバックはむしろ成長の大きなきっかけになります。



Q3. 1on1でフィードバックがうまくいかないとき、何から見直せばいいですか?  


A. まずは「信頼関係」と「フィードバックの目的」を見直します。承認や感謝のフィードバックが足りているか、ジャッジではなく「わたしにはこう見える」というIメッセージで伝えられているかを振り返ると、改善の糸口が見つかりやすくなります。





次回予告(第20回)



第20回から最終章

第5章:スキルを日々実践する「リフレクション/内省」 に入ります。





ポイント


フィードバックは

適切な方法 × タイミング × 気配り傾聴

習熟度に合わせる

ポジティブネガティブのバランスをとる





参照記事 ▼


第12回「反射」


第15回「承認・勇気づけ」


第18回「GROWモデル」



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