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「がんばるマネジャー」を卒業したら、チームが動き出した──優先順位とNOの伝え方で変わるマネジメント

  • 執筆者の写真: MIDORI HARA
    MIDORI HARA
  • 9月22日
  • 読了時間: 5分

業務が次々に降ってくる。気づけば、いつも自分ばかりが引き受けている──そんなマネジャーの「がんばり」が、チームの停滞を生んでいませんか?

本記事では、NOの伝え方と優先順位の見せ方を通じて、信頼と行動が生まれるマネジメントのヒントを具体的に紹介します。



目次

「がんばるマネジャー」を卒業したら、チームが動き出した──優先順位とNOの伝え方で変わるマネジメント


🔹「がんばるマネジャー」がチームを止めてしまう理由

🔹 NOが言えないのは、やさしさではなく“自己防衛”かもしれません

🔹「静かな退職」は、境界線を引くサインかもしれません

🔹 優先順位は、“言葉” ではなく“姿勢” で伝わります

🔹 NOを言う力と、NOを受け取る力はセットです

🔹 静かなNOが、信頼と行動を生み出します



「がんばるマネジャー」を卒業したら、チームが動き出した──優先順位とNOの伝え方で変わるマネジメント



🔹「がんばるマネジャーがチームを止めてしまう理由

 

「すみません、これもお願いできますか」

「◯◯さんのところなら、できると思って」

「これ、今日中に間に合うか?」

 

そんな言葉に、つい「はい」と答えてしまう。

それは責任感や誠実さ、信頼への応答だったはずです。

でも──

気づけば、自分の仕事も、チームの流れも、止まりかけていませんか?

 

❌ 本当に大切なことに手が回らない

❌ メンバーの判断力や当事者意識が育たない

❌ 自分の集中力が奪われ、疲弊だけが積み重なる

 

その背景には、「NOを言えない」ことへの葛藤があるのかもしれません。

 

 

 

🔹 NOが言えないのはやさしさではなく自己防衛かもしれません

 

NOを避ける理由には、複雑な感情が潜んでいます。

 

• 評価が下がるかもしれない

• 関係が悪くなるかもしれない

• 能力不足と思われるかもしれない

• 頼られなくなったら終わりかも

• 他部署に断ったら非協力的と思われるかも

 

こうした「かもしれない」に縛られ、無意識にイエスを繰り返していないでしょうか?

 

結果として──


❌ タスクが飽和

❌ 優先順位がぼやける

❌ チーム全体も「何が重要か」が見えなくなる

 

マネジャーが「NOをどう扱うか」は、周囲に伝わっています。

それは命令でも理屈でもなく、信頼される行動の起点です。

 

 

 

🔹「静かな退職境界線を引くサインかもしれません

 

いまの職場では、「明確にNOを言わないNO」が存在しています。

そのひとつが「静かな退職(quiet quitting)」です。

 

これは無責任でも反抗でもなく、

“自分のリズムや優先順位を守る” という意思の表れかもしれません。

 

大きな変化が起きています:

• 「組織への忠誠=すべてに応える」から

• 「限られたリソースを、納得できる形で使いたい」へ

 

発言や行動にあらわれる “静かなサイン” ──

業務への関与度や応答の変化など。

それをマネジャーがどう受け止めるか。

そして、自身がNOとどう向き合っているかを見せること。

 

それが、これからの信頼と対話の土台になるのではないでしょうか。

 

 


 

線を引くことで、信頼が生まれる──優先順位とNOの伝え方が変えるマネジメントの風景

 

 




🔹 優先順位は、“言葉ではなく姿勢で伝わります

 

「優先順位が大事」と言葉にしても、実感がなければチームには伝わりません。

 

❌ なんでも引き受ければ → すべてが重要に見える


✅ 線を引いて見せれば → チームに集中の軸が生まれる

 

例えば──


• 「この案件を受けるなら、現在の〇〇プロジェクトを一時停止します」

• 「このご依頼は対応可能ですが、来週以降になります」

 

こうした選択の “姿勢” が、優先順位の見せ方になります。

マネジャーの線引き=チームの信頼構築の一歩です。

 

 

 

🔹 NOを言う力と、NOを受け取る力はセットです

 

NOを伝えるのは難しいですが、NOを受け取ることもまた、マネジメント力の一つです。

 

• 自分が誰かからNOを言われたとき、どう感じるか?


• 「NO=拒絶」という思い込みはないか?

 

こう問い直すことで、NOの意味を再定義できます。


例えば──

部下から「このタイミングでは難しいです」と言われたとき、

その背景に耳を傾け、一緒に乗り越え方を考えられるかどうか。

 

NOを伝え合える関係は、冷たさではなく、むしろ信頼と成熟の証です。

お互いの線引きを尊重できることで、対話は深まっていきます。

 

 

 

🔹 静かなNOが信頼と行動を生み出します

 

静かなNOは、関係を壊すための線ではなく、

信頼と行動を支える “境界線” です。

 

「これは、あなたの判断に任せよう」とマネジャーが言葉にしたとき、

メンバーは責任を押しつけられたのではなく、信頼されたのだと感じ、

自分の意思で、少しずつ動き出します。

 

もちろん、「手放す勇気」も「応える主体性」も、一朝一夕で育つものではありません。

 

だからこそ、日頃から「どう考え、どう判断するか」を、

お互いに示し合える関係性を育てていくことが、大切なのではないでしょうか。

 



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