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第1回|面接は“選ぶ”から“見極め合う”へ ─ 2026年の採用環境を俯瞰する

採用面接は、人事だけの仕事だと思っていませんか。

実際には、判断の重みは現場のラインマネジャーに集まっています。

2026年の不確実な環境で、面接を「選ぶ」から「見極め合う」へ──設計から考え直します。




静かな採用デザイン ─ ラインマネジャーのための10の知恵




採用面接で判断の重みを感じる、考え込むラインマネジャーのイメージ




第1回|面接は“選ぶ”から“見極め合う”へ ─ 2026年の採用環境を俯瞰する



人が採れない、定着しない。採用の難しさが増すほど、判断の重みは現場に集まります。

専門家ではないラインマネジャーが、限られた時間で重要な判断を担う──

本稿は、個人の力量ではなく設計の問題として採用面接を捉え直し、面接を「孤独な責任」にしないための視点を共有します。




シリーズの目的


このシリーズは、

忙しさと責任の板挟みで疲弊しがちなラインマネジャーが、

“本来の仕事に戻るための採用設計” を扱っています。


採用が崩れると、

1on1が「育成」ではなく「後始末のような対応」になり、

チームの生産性が落ち、

マネジャーの時間が奪われていきます。


だから採用は、

人を増やす仕事ではなく、

後工程を軽くするための “入口設計”

として捉え直す必要があります。




1|2026年の採用環境を俯瞰する


不確実性が高まる中、職務は流動化し、入社後の成果を事前に言い切れません。 それでも判断は必要で、最前線にいる現場がその重みを引き受けています。 難しさの増大=現場の負担増。ここが出発点です。




2|面接が難しくなっている理由


難しさの正体は三つ。 

①短時間判断

②失敗回避の圧力

③責任分担の曖昧さ

技量の問題ではなく、条件が厳しくなった結果として起きています。




3|現場が陥りやすい3つの無意識


面接がうまくいかないと感じると、私たちは質問や見る目を疑いがちです。 しかし現場で起きているのは、限られた条件下で判断を迫られることで生じる無意識の傾向です。


1つ目は「自分に近い人」を選びやすいこと。 

短時間で理解しようとすると、話し方や価値観が似た相手に安心感を覚えます。 これは類似性(親近)バイアスと呼ばれる自然な反応で、誰にでも起きます。


2つ目は条件を積み上げすぎること。

失敗を避けたい思いから要件が過剰化し、判断基準が増えすぎる。 結果として「何を見るか」が曖昧になります。


3つ目は縛られるほど判断を避けること。

NGが増えるほど、防衛的意思決定に傾き、質問は無難になります。 これは怠慢ではなく、責任が不明確な環境で合理的に起きる反応です。


重要なのは、上手い・下手の問題ではないという点。 

多くの現場では、面接で判断することと入社後に育てることの切り分けが曖昧なまま、判断だけが求められてきました。


面接が難しいのは、学ぶ機会と設計が不足した状態で重要判断を任されてきた結果でもあります。




4|なぜ「責任の押し付け合い構造」が生まれるのか


採用がうまくいかないと、現場は「人事が…」、人事は「現場が…」と感じがちです。 

このすれ違いは、役割と責任の設計が曖昧なまま分業されていることに起因します。


人事は制度・公平性・母集団形成を担い、 

現場は「一緒に働けるか」という実務判断を担う。 

本来は補完関係ですが、評価と責任が分断されると各部門は防衛的になります。


人事は「問題が起きない選考」を、 

現場は「失敗しない条件」を、 

育成は「想定外を避ける運用」を優先する。 

誰も悪くないのに、全体として機能しない構造が生まれます。


ここで扱うのは、現場をはじめ、経営や人事を含めた組織全体の話です。 

「面接で何を見極め、何を育てるのか」 

「判断の責任を誰がどこまで持つのか」 

を共有しない限り、この構造は繰り返されます。




5|「選ぶ」から「見極め合う」へ


これからの面接は、一方的に選ぶ場ではなく、 前提・期待・制約を短時間で確かめ合う場として再定義する必要があります。


不確実な環境では正解を当てにいけません。 

重要なのはズレを早く見つけること。 

候補者は仕事の現実をどう受け止め、曖昧さにどう向き合うか。 

現場は、価値観や支援の姿勢をどう示すか。評価は往復します。


鍵は「良く見せる質問」ではなく、 

判断に必要な情報が行き来する問い。 

過去だけでなく、戸惑いや考え方に光を当てることで、現実が照らされます。


この捉え直しは、現場の負担を軽くします。

完璧な判断を背負わなくてよくなるからです。

必要なのは、面接で判断すること/育てることの合意

それがあって初めて、面接は孤独な責任ではなくなります。




まとめ/次回予告


本稿では、面接を力量論ではなく設計の問題として整理しました。

「見極め合う」という視点は、現場の責任を軽くする逃げではなく、

判断と育成を現実的に切り分けるための第一歩です。


次回は、この前提のうえで、

「見極めようとするほど判断が歪む」理由を扱います。


焦点は “質問の数” や “見抜く技術” ではありません。

短時間で判断を迫られる現場が、

どんな問いの持ち方なら、すり合わせに集中できるのか。


面接を「選別の場」から「現実を確かめ合う場」へと

組み替えるための視点をお届けします。





採用面接で判断の重みを感じる、考え込むラインマネジャーの姿をイメージさせる画像













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