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人材/組織のパーパスとメンター 

  • 執筆者の写真: MIDORI HARA
    MIDORI HARA
  • 12月4日
  • 読了時間: 4分


人材/組織のパーパスとは


個人の人生の目的(パーパス)と、会社における仕事の目的をどう重ね合わせるか──

これは今、多くの組織に突き付けられている問いです。


「会社のために働く」から「自分の目的を生かす」へ。企業が自社の存在意義を人材の価値観に結びつけられるかどうかは、組織の持続性と人材のモチベーションを大きく左右します。



 

ビジョン・ミッション・バリューの違い


  • ビジョン:将来、どのような姿になりたいか(未来像)

  • ミッション:どの領域で、どのように社会へ関わるか(役割)

  • バリュー:組織文化や行動基準(価値観)


これらを土台にした上で、さらに「なぜ存在するのか」というパーパス(存在意義) が求められます。

 



パーパスが結ぶ、個人と組織


パーパスを持つ組織は、方向性が明確であり、働く人の意欲を高めます。

そして、組織のパーパスと人材のパーパスが重なり合うとき──「やりがい」や「成長の実感」が生まれます。


組織側は、多様な人材のパーパスを理解し、それを支える制度や伴走としてのメンタリングを整える必要があります。


一方で、個人も「自分のパーパスが組織と共鳴するか」を見極め、Cool Head & Warm Heart でワークライフを再定義することが大切です。

 



メンタリングが果たす役割


メンタリングは、人材育成と組織文化の継承を両立させる有効な手段です。


  • 経験や知識を伝える

  • 価値観を共有する

  • 自己肯定感を育む


こうした対話の余白が、人材の成長を支え、同時に組織のパーパス実現にもつながっていきます。

 



成功例:Nike社のパーパスとメンタリング


Nike社は「人々を活かし、世界をより良い場所にする」というパーパスを掲げています。


一方、「革新的なスポーツ用品を提供し、アスリートたちをより高いレベルに導くこと」は創業者であるビル・バウワーマン氏が掲げた創業時からのパーパス。


1960年代に創業されてから現在まで60年以上の歴史があります。 Nike社は創業時からのパーパスを実現するために人材の採用においても「アスリート志向の強い人材を採用すること」という方針を持っています。 


人材のパーパスと企業のパーパスを結びつけるために、メンタリングプログラムを導入しました。このプログラムでは、ベテランアスリートやコーチが若手社員に対してメンタリングを行い、彼らにスポーツにおける挑戦や努力の重要性そしてチームワークやリーダーシップの大切さを教えることで企業としてのパーパスを共有する社員を育成しました。


結果として、このメンタリングプログラムはNike社の社員満足度を向上させるだけでなく、企業としてのパーパスの実現につながる人材の育成に大きな成果を上げました。

 

その実現のために導入されたメンタリングプログラムでは、ベテランアスリートやコーチが若手社員に対し、挑戦・努力・チームワーク・リーダーシップの価値を伝えてきました。


結果として、社員満足度は向上し、パーパスに共鳴する人材が育ち、組織の一体感を強化する成果を上げています。

 



日本の現場でどう活かすか


日本企業でも「価値観3語」や「強み3語」を使って1on1で対話し、「誰のために、何を貢献するのか」を整理する実践が広がりつつあります。


これはSDT自己決定理論)*やジョブ・クラフティング**の考え方とも結びつき、個人と組織のパーパスを橋渡しする取り組みとなります。



*SDTは、人間の動機づけを内発的動機づけと外発的動機づけに分類し、自律性、有能性、関係性の3つの基本的心理的ニーズの満足が重要であると提唱する理論。


**ジョブ・クラフティングは、従業員一人ひとりが自らの仕事を再定義し、より満足度の高いものに変えていく取り組み。厚生労働省も働きがい向上の重要な手法として位置づけ。


 


まとめ


パーパスは「上から与えられるもの」ではなく、伴走の中で共に言語化されるものです。

メンターが余白をつくり、Cool Head & Warm Heart で対話を導くとき、個人と組織のパーパスは結びつき、日々の仕事に意味が生まれます。

 

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