Z世代が心を開いた瞬間──1on1を変えた「傾聴と問いかけ」:第3回
- MIDORI HARA

- 8月25日
- 読了時間: 7分
更新日:10月16日
「うまく問いかけてるのに、対話が深まらない」
その違和感に向き合ったマネジャーの物語と、実践Tipsで構成された一回。
Z世代との信頼を育てる、“問い直し”のための1on1。
目次
信頼と成長を叶える:2025年度版 1on1ミーティング成功の秘訣 シリーズ 第3回
Z世代が心を開いた瞬間──1on1を変えた「傾聴と問いかけ」
🟧 1on1ミーティングに臨むマネジャーの心構え
🟠 わたしの前日譚
🔶1on1ミーティング Z世代メンバーとマネジャーの継続成長物語
【有料エリア】1on1を成功させる伴走型実践ガイド
📖 Z世代×リモートワークケーススタディ第3回 Part 1を読んで下さったあなたへ
📖 Z世代×リモートワークケーススタディ第3回 Part 2
👩🍼 育休復帰メンバーとの1on1(共感と配慮のすれ違いを描く単発ケーススタディ/実例)
💻💬 Ask Mr. Marple Q&Aコーナー
信頼と成長を叶える:2025年度版 1on1ミーティング成功の秘訣 シリーズ 第3回

Z世代が心を開いた瞬間──1on1を変えた「傾聴と問いかけ」
「1on1をしていても、なぜか信頼が築けない…」
会話は成立しているのに、通じ合っていない。
その違和感に向き合うために、“問い方”より前にある“聴く姿勢”に目を向けてみませんか?
1on1ミーティングに臨むマネジャーの心構え
── マネジャーとしての「あり方」:Being
1on1は、部下の成長を支援するだけでなく、マネジャーとしての「あり方」が試される場でもあります。特に、Z世代の価値観や働き方が多様化する今、1on1の空気感や問いかけ1つで、信頼関係が大きく変わってしまうこともあります。
ドラッカー博士は『経営者の条件』で「マネジャーは、成果を出す責任と倫理的な判断の狭間で、いつもジレンマに直面している」と語っています。実際、現場に立つミドルマネジャーほど、チームの心理的安全性を守りつつ、成果へのプレッシャーにも応えなければならない——そんな板挟みを日々経験しています。
例えば、チームの誰かが「これはちょっとリスクがあるかも…」と懸念を示したとき。あなたはその声に耳を傾けていますか?それとも「まあ大丈夫だろう」と流してしまっていませんか?
こうした一瞬の反応が、「このチームでは、本音を言ってもいいんだ」と感じさせるか、それとも「結局、結果がすべてだよね」と思わせるかの分かれ道になります。これは決して大げさではなく、実際にミドルマネジャーの些細な対応が、部下の信頼や会社への誠実さにまで影響を与えているのです。
倫理学者ラッシュワース・キダーは、日常に潜む「4つの道徳的ジレンマ」を紹介しています。
正義 vs. 慈悲
短期的成果 vs. 長期的信頼
個人の自由 vs. チームの責任
忠誠心 vs. 真実の開示
例えば、「お客様の要望通りにすれば売上は立つが、本当に価値のある提案なのか?」——これはよくある “正しい vs. 正しい” の葛藤です。こうした場面でこそ、マネジャーの “判断の軸 ” が問われるのです。
ポイントは、完璧な正解を出すことではありません。
「これは本当に誠実な判断か?」と、自分自身に問い直す姿勢。
そして、「部下の前でも、堂々と向き合えるか?」という覚悟。
私たちが示すべきは、見えない美談ではなく、「目に見える道徳」です。
約束を守る。話を聴く。言いにくいことにも、向き合う。
それが、どんな世代の部下にも伝わる——
普遍的な信頼の基盤になります。
🟠 わたしの前日譚
── 聴くことは最高のギフト
私は生まれつきの聞き上手ではない。
意識し、練習し、努力を積み重ねなければ、すぐに錆びついてしまうのだ。
好奇心、受容、謙虚さ──これら「内なる姿勢」があって初めて、相手を理解しようとする基盤が生まれる。
過去、忘れられない若手Fさんとの経験がある。
その年、グローバルマーケティング戦略の最重要テーマに、異例にも日本発の「研修(トレーニング)」が選ばれ、全国展開のため助っ人要員が募られた。
Fさんはもともと研修チームのメンバーではなく、人前で緊張すると言葉がつかえてしまう癖もあった。推薦される可能性は低い──それを知りながら、彼は自ら手を挙げ、私のもとへ説得に来た。
彼と私は、1対1でリハーサルを繰り返し、
私は出張先のホテルでも深夜までビデオを確認し、丁寧にフィードバックを重ねた。
結果、彼の講師(ファシリテーター)デビューは大成功!
受講者の心をつかんだのは、卓越したスキルではなく、彼の持つ「間」と「聴く姿勢」だった。
「聴くことは最高のギフト」
この信念は、今の私の1on1の核心でもある。
🔶1on1ミーティング Z世代メンバーとマネジャーの連続成長物語

1on1ミーティング タイムライン図 (再掲)
「1on1は、偶然ではなく“流れ” でつくるもの」
もし、あなたが「1on1がうまくいかない」と感じているなら――
それは “どこでつまずいているのか” を見える化できていないからかもしれません。
このシリーズでは、Z世代の部下・カナさんと、マネジャーのヒロシさんの実例を通して、1on1の各フェーズを追体験していきます。
ここで再掲する「1on1ミーティングタイムライン図」は、そんな “対話の流れ” を可視化するための道しるべです。
今回の第3回は、「木」=“聴くと問いかけ”がテーマ。
形式的な質問では届かない“心の距離”に気づきはじめたマネジャーが、信頼の土壌をどう耕していくのか──その分岐点を描いていきます。
信頼形成の1on1プロセスマップ
「“今、どこにいるか”が分かると、次の一歩が見えてくる」
ヒロシマネジャーとカナさんの1on1は、特別な物語ではありません。
うまくいったり、失敗したり、行きつ戻りつしながら信頼を育てていく、リアルな実例です。
このタイムライン図は、その歩みを “感情の変化” と “対話の質” で整理したもの。
読者であるあなた自身の1on1の今と、照らし合わせてみてください。
→ 前回は「問いすぎてしまう」ことのズレが明らかになりました。
→ 今回は「問いかけても返ってくる。でも、なぜか信頼が築かれない」という もっとも多い“あるあるのズレ” に向き合います。
📖 「Z世代×リモートワーク環境」ケーススタディ第3回 Part 1

👥 登場人物
ノナカ・ヒロシ(仮名)/30代後半のマネジャー
Z世代の部下との1on1は初。前回、アイスブレイクの重要性を学んだ。
スズキ・カナ(仮名)/24歳のメンバー入社2年目、リモート中心の働き方に孤独感を抱える。発言は控えめ。
会話は成り立っている。でも…どこか届いていない。ヒロシマネジャー:「じゃあ、今困ってることはある?」カナさん:「特にないです」答えは返ってくる。でも、それが “心からの言葉” かどうかは、別の問題。その違和感にヒロシが気づくまでの1on1が、静かに始まる。
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「問いかけても、答えは返ってくる。でも…なぜか伝わらない」会話が成り立っているのに、“分かり合えていない” 感覚が残る。それは、「問い方」の問題ではなく、「聴く姿勢そのもの」の課題かもしれません。
このPart 2では、ヒロシマネジャーがその違和感に向き合い、問いかけの角度を変え、少しずつカナさんの “心の扉” が動き始めるプロセスを丁寧に追いかけます。
加えて、Z世代の信頼構築に役立つ、現場で磨かれた問いかけTipsもご紹介。
「聴くこと」の質を変えたいマネジャーに贈る、実践と内省の両輪記事です。
第3回【有料エリア】特典
1️⃣ Z世代×リモート環境編(Z世代メンバーとマネジャーの継続成長物語)
2️⃣ 育休復帰メンバーとの1on1(共感と配慮のすれ違いを描く単発ケース)
3️⃣ 読者から寄せられたリアルQ&A(沈黙の壁を乗り越える具体的ヒント)
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