『The Four Seasons』──中年期の"うつろい"と関係性の地図
- MIDORI HARA

- 11月14日
- 読了時間: 3分
Netflixドラマ『The Four Seasons』は、三組のカップルが季節ごとに旅をともにする──という設定から始まる、静かで少し切なく、でも温かな物語です。
人生の半ばを過ぎた大人たちが、友情、パートナーシップ、家族、そして "自分らしさ" の再定義に向き合うこの作品は、働く女性が立ち止まり、自分自身のライフサイクルをそっと見つめる機会を与えてくれます。
『The Four Seasons』に映る、働く女性の “再構築の四季”

1. 三組のカップルで描く、四季のような関係のかたち
春夏秋冬、毎年恒例のバカンスで集う三組の中年カップルたち。穏やかな時間が流れる中、少しずつ関係性の亀裂や感情の澱が浮かび上がってきます。
長年連れ添ったからこそ見えなくなっていたもの、言えなかったこと、飲み込んできた気持ち。それらが、旅先という非日常空間で、少しずつほどけていく──そんな構成です。
どのカップルも、どこかに覚えがある。もしくは、未来の自分の姿かもしれない。
たとえば、旅先のディナーでささいな会話がきっかけで感情が噴き出す──そんな瞬間に、「うちもああいうこと、あるな…」と感じる読者も多いかもしれません。
年齢を重ねた人間関係には、季節のようなリズムと"うつろい"があること
を、この作品は静かに教えてくれます。
2. 働く女性にとっての「中年期の再構築」
中年期とは、アイデンティティの再編成が起きる時期でもあります。
家庭・仕事・親の介護・子の独立──複数の役割が交錯する中で、「私は今、誰として生きているのか?」という問いが、ふと立ち上がる瞬間があります。
このドラマの登場人物たちは、完璧ではありません。迷い、疲れ、時に孤独を感じながらも、「ほんとうの自分」でいようと揺れ続けています。
たとえば、ケイト(ティナ・フェイ)は、旅先で「母として」「妻として」ではなく、自分自身の本音に静かに向き合う時間を持ちます。
仲間たちとの穏やかな会話の中で、「私は、いつから “らしさ” を置き忘れてきたのだろう」と揺れるその表情──そんな姿は、働く女性たちの心にそっと重なるはずです。
3. "友情" というもう一つのライフライン
カップル関係だけでなく、この物語には友情も重要なテーマとして描かれます。
長年の友人であるということの意味──
・変化を受け入れ合える関係性とは何か?
・いつの間にか役割が固定されてしまった関係に、新しい風を入れるには?
「ずっと仲良しでいようね」と言っていた友人と、気づけば半年以上連絡を取っていない──そんな“間”の存在を、このドラマはそっと描いてくれます。
大人になってからの友情は、複雑です。けれど、あたたかくもあります。
このドラマは、友情にも "四季" があることを教えてくれます。
4. 自分の季節を見つめなおすということ
人生には、"立ち止まって振り返る" 時間が必要です。このドラマを観る時間が、そんなひとときになるかもしれません。
もしかしたら、何かが終わりかけていたり、始まりかけていたりするかもしれません。
そして、もしこの四季の中に、あなた自身の心模様があるとしたら──
それは、今どの季節でしょうか?
5. 次回予告|本編シリーズがいよいよ始まります

2026年1月から、note連載『働く女性のライフサイクル』シリーズが始まります。
本記事は、その前哨戦・第2弾です。
シリーズ本編では、働く女性のキャリア、ライフイベント、心身の変化、そして「自分らしさ」との向き合い方を、物語と理論を交えてお届けしていきます。
来年、また「静かな書斎」でお会いしましょう。
連載『働く女性のライフサイクル』シリーズ前哨戦・第1弾 ▼
The Four Seasons | NETFLIX OFFICIAL TRAILER(フォー・シーズンズ公式紹介動画)


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