『Somebody Somewhere』──中年の揺らぎに寄り添う、静かな物語
- MIDORI HARA

- 10月10日
- 読了時間: 3分

『Somebody Somewhere』──中年の揺らぎに寄り添う、静かな物語
はじめに── “声にならなかった時間” に名前をつける
40代、姉を亡くし、人生の再構築を始める主人公サム。HBOドラマ『Somebody Somewhere』は、働く女性のライフサイクルにおける “中年の転機” を静かに描きます。
この作品を通じて、私たち自身の「揺らぎ」に、そっと名前をつけてみませんか。
本記事は、2026年から始まる連載シリーズ『働く女性のライフサイクル』の “前哨戦”。シリーズ本編のテーマに入る前に、ドラマという「物語」から、静かに一歩目を踏み出します。
サムという主人公──中年女性のリアルな描写
サムは、カンザスの小さな町で暮らす40代の女性。姉の死をきっかけに、人生の意味を問い直し始めます。
仕事も人間関係も、どこかうまくいかない。だけど、歌と仲間との出会いが、彼女の心を少しずつほどいていく──そんな物語です。
彼女は、明確なキャリア目標を掲げてきたわけではありません。しかし、日々を懸命に生きてきた女性です。
その姿に、私たちはきっと「あるある」「いるいる」と感じるのではないでしょうか。
フィールド・オブ・ドリームスのように、カンザスという何もない風景だからこそ、心の揺らぎがよく見える──そんな場所で、サムの物語は始まります。
“coming of middle age” という視点
この作品は、いわば “coming of middle age”(中年期の到来)。人生の後半に差し掛かり、「このままでいいの?」と立ち止まる瞬間──それは誰にでも、ふと訪れるものです。
こんな気持ち、あなたにも覚えがあるかもしれません。
ライフサイクルとは何か──簡潔な定義
ライフサイクルとは、人生を発達段階として捉える心理学的な考え方です。
エリクソンは人生を8つの段階に分け、各段階に特有の課題があるとしました。
私たちの人生には、語られにくい揺らぎがあります。「働く女性のライフサイクル」シリーズでは、そんな “声にならなかった時間” に、そっと意味を与えていきます。
仲間たちと築く心理的安全性
サムが出会う仲間たちは、どこか “はみ出している” 人たち。性的マイノリティや、社会の枠に収まりきらない人々です。
しかし、彼らとの関係性は、安心と笑いに満ちています。「自分らしくいていい」と思える場所──それは、働く女性にとっても、かけがえのない支えなのかもしれません。
なぜ今この作品を紹介したいのか
2026年1月から始まる『働く女性のライフサイクル』シリーズでは、キャリアの転機や心身の変化を丁寧に扱っていきます。

その前に、まずはサムの物語から──誰かのストーリーを通して、自分自身のライフサイクルを見つめる時間を持ちませんか。
おわりに──静かなエールとして
このドラマを観て、心が少しだけ軽くなったなら──それは、あなたのライフサイクルが静かに動き出した証かもしれません。
そして、来年から始まるシリーズでは、もっと深く、もっと優しく、あなたの揺らぎに寄り添っていきます。
🌿 次回は、Netflixドラマ『The Four Seasons』をとりあげます。
関係性の“うつろい”に揺れる中年期を、三組の夫婦の旅を通して描いたヒューマンコメディ。 シリーズ第2弾もどうぞお楽しみに。
ご参考動画
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