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NCISギブスの光と影|錦秋のヒーローの「B面」に迫る

大統領を救った男の「B面」に迫る観察ノート。

NCISの主人公ギブスを、人生の “錦秋” にあたるS1〜S12/13に絞って読み解くシリーズ。

光と影、功と罪、孤独と沈黙。その深層に、大人の観察と遊び心でそっと迫ります。




NCIS Addictの気まぐれノート

―― 個人的見解ですので、安心して読み流してください。




NCIS ギブス 光と影 スナイパー 孤独
Patient and Stubborn. It's what SNIPERS are. 辛抱強くて頑固なのが狙撃手だ



第1回|NCISギブスの光と影大統領を救ったヒーローの裏に隠された「B面」のスナイパーの悲劇




ギブスの光と影


ギブスという男を語るとき、“無口で渋いリーダー” というA面だけを見ていると、この人物の本当の輪郭はつかめない。


彼は、光の当たる場所よりも、光が届かない場所でこそ “本領” を発揮する。 


 (心の声)まるで深海や地下生物のよう。オコゼ? まさか。


そして、その影の深さこそが、NCISという長寿シリーズを支えてきた“鈍い鼓動”だ。




大統領を救ったヒーローのA面


S1E1「Yankee White」――

ギブスは、テロリストから大統領の命を救った。


普通なら、英雄として讃えられ、生涯恩赦をひとつやふたつ与えられてもおかしくない。


だが、ギブスの “功績” は、ほとんどが機密扱いで封印される。


 (心の声)それにFBIがサラッと横取りもしていく。


彼の仕事は、「知られてはいけない成功」ばかりだ。


光の当たる場所に立つことを許されないヒーロー。

それがギブスのA面だ。




罪だけが晒されるB面の構造


ここで問いたいのは、なぜ “功” は隠され、“罪” だけが晒されるのか、ということだ。


S18E10「Watchdog」――

ギブスは、犬を搾取し殺した虐待犯を殴り、負傷させた。


暴力は許されない。

それは前提として揺るがない。


一方、ギブスが救ってきた数万人の命は、数字としてカウントされない。


一方で、目の前の “ひとりのクズ” に振るった暴力だけが、冷徹に記録される。


功は不可視、罪だけ可視。


この非対称性が、ギブスの人生をゆっくりと削っていく。 


  (心の声)「コンプライアンス」の8文字が脳裏に浮かぶ。


監察官たちは、

ギブスの長年の功績ではなく、“目の前の一件” だけを裁いた。


視聴者にとっては、

あまりに冷血な結末ではないか。


長年ギブスを愛してきた私たちADDICTにとって、

あの “全否定” は、

自分たちが信じてきた「正義の快感」さえも否定されたような虚しさを残した。


「そうだよね……なんか悔しいよね……」と、

ADDICT同士で肩を並べたくなるような、

あの独特の痛み。




ギブスの恋愛と幸せへの恐怖


ギブスの恋愛遍歴、特に結婚歴を並べると、

「どうしてこの人を?」と首をかしげる相手が多い。

ただ、赤毛なだけ?


だが、

そこには一貫した “影” がある。

幸せになったら、シャノンを裏切る。

その恐怖が、彼を幸せから遠ざける。


だから、

本当に愛せる相手からは逃げ、

ろくでもない相手にだけ反応する。


これは “性格” ではなく、

喪失と罪悪感が作り上げた “構造” だ。 


 (心の声)夢や幻想の中にシャノンは現れるが、現実の女性たちはたまったものではないはず…




 “身体知”としてのギブスの勘


ギブスの “勘” は、根拠のない直感ではない。


科学捜査を徹底し、データを確認し、他者の意見も聞く。

納得すれば軌道修正もする。


その上で、膨大な経験値から導き出される “身体知” だ。 


 (心の声)ブルース・リー氏の “Don’t think. Feel.” 「考えるな、感じろ」


一方で、NCISには

IQは高いのに、肝心なところが致命的に見えていないタイプが多い。


例えば、

マクギーは知識の宝庫だが、人間関係や人の裏表には驚くほど鈍い。


ジミーは頭は良さそうなのに、下品なジョークと距離感のなさで場を凍らせる。あのトニーでさえ顔をしかめるほどだ。


ビショップに至っては、ロジックにはめっぽう強いが、

相手の急所を平気で踏み抜き、自尊心を砕くような言葉を悪気なく放つ。


 (心の声)彼女に近寄るなら心の防弾チョッキを用意しよう!


どちらにせよ、もっと質が悪いのが無能な高官たちだ。


ギブスの “身体知” を理解できないまま、

「根拠がない」「勘に頼るな」と切り捨てる。


ギブスは、説明できない正しさを持つ男だ。

凡庸な1.0人間では、一生たどり着けない領域。




抜け道ゼロの孤独


独りを好んだのではない。

独りに追い込まれたのだ。


個人的な傾向 × 組織構造のダブルロックで。


• 喪失

• 罪悪感

• 機密任務

• 組織の冷酷さ

• 功績の不可視化

• 罪だけが晒される構造

• 幸せへの恐怖


これらが絡み合い、

ギブスという男をどんどん “抜け道ゼロ” の孤独へ閉じ込めていった。


それでも彼は、

誰にも文句を言わず、

ただ、扉を閉めて地下室へ降りていく。 


 (心の声)その背中の陰から、ふっと無邪気な笑顔がほころぶ。これをツンデレというのかな。


光の届かない場所であっても、なぜか鈍く暖かい。


ギブスは、「孤独」かと問われると、

「独りではない、(職場には)familyがいる」と真顔で答えていた。


仮想のfamily…


このfamilyも、幻のように一人ひとりと消えていく。

彼は「居場所」を失った。


 (心の声)アラスカで、神さまが苦しみ抜いたギブスの背中を押す心地よい風を吹かせたのだろうか。


――やっと彼は自身の「居場所」を得た。




光と影でできた男


ギブスは、強さでも弱さでも語れない。


彼は、

光と影の両方でできている。


そして、

その影の深さこそが、

NCISという物語の “照度” を決めている。


ギブスの沈黙は、ただの無口ではない。

ただの美学でもない。

それは、「ギブス」そのものだ。




 NCISとは、米国海軍・海兵隊関係者を中心に犯罪捜査を行うチームの活躍を描く人気犯罪ドラマシリーズ。




次回予告


第2回 ▼「NCIS|ギブスの罪と愛情が、トニーをどう形づくったか








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